北海道のサクラマスジギング―ロッド、リールなどのタックル選びからファイト法までを徹底解説!

フィールド別ハウツー

北海道のオフショアジギングで絶大な人気を誇るのがサクラマスジギングです。繊細でゲーム性豊かな釣趣、スリリングなファイト、食味の良さなど、アングラーを惹きつける要素満載の魅力的なスタイルです。本記事では札幌市のコアなプロショップ「ノースキャスト」の平中彰彦さんがその魅力を余すことなく伝えます。

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この記事を作った人平中 彰彦
2010年札幌市白石区本通4丁目にルアー専門店「ノースキャスト」をオープン。とくにオフショアの釣りに注力、自身のスキルアップも含めて道内外海外問わず遠征し、お客様・メーカー様、遊漁船船長とともに新しい釣り方やターゲットを追及し続けている。

北海道のサクラマスジギング、エリアとシーズンは?

「ノースキャスト」の平中彰彦さん。サクラマスジギングのキャリアは10年以上。近年ではキングサーモンにご執心です。

北海道のサクラマスジギングは、エリアによってシーズンが異なります。最も早くシーズンを迎えるのは羅臼エリア。例年12月後半からスタートします。

以降は1月に噴火湾エリアが開幕、2月には函館エリア、3月に入れば日本海積丹エリアがスタート、4月末からオホーツク海と続き6月まで楽しめるのが例年のパターンです。

いずれのエリアでもサクラマスを狙うのは中層。羅臼沖やオホーツクの常呂沖などでは60m前後、噴火湾の白老沖などでは90m前後まで狙うこともりますが、全体的には10mから30mといった浅ダナを狙うことが多いのが特徴です。

サクラマスのサイズはシーズン初期ほど小さく、後半になるにつれサイズアップする傾向がありますが、1~3kが多く、目標は3kgクラスというのが一般的です。

ゲストとしてはマダラ、スケソウダラ、ソウハチガレイなどが一般的ですが、羅臼では12月から翌年の1月にかけてキングサーモンがヒットしてくるのが大きな魅力。この時期の羅臼はキングサーモンをメインターゲットとするアングラーも増えており、実績も多くなっています。

近年、実績も増えてにわかに脚光を浴びているキングサーモン。憧れの魚と言えるでしょう。

サクラマスはその食味も魅力。いったん凍らして寄生虫を殺してから食すルイベのほか、塩焼き、ムニエルなどシンプルな料理でも、その美味しさは絶品。食味に魅力を感じて出掛けるアングラーも多いと思われます。

北海道のサクラマスジギングタックルについて

サクラマスジギングはスピニングタックルでも楽しめますが、フォール時にジグにアタックしてくることが多いので、私はフォール中にもアタリを取りやすいベイトタックルを推奨しています。

スピニングタックルでも狙えますが、フォール中のバイトに対応しやすいのはベイトタックル。

北海道のサクラマスジギング用、おすすめロッドは?

おすすめしているのは、いわゆるスロージギング用ロッド。なかでも0~2番の軟らかいロッドがおすすめです。

サクラマスは捕食後に反転する傾向が強く、そのときにバラシを軽減できるよう、魚の走りを吸収できる軟らかいロッドがおすすめです。硬いロッドでは魚が反転したときにフックが外れたり、口切れを起したりすることが多いので注意が必要です。

近年は各メーカーからサクラマスジギング専用ロッドも発売されています。専用ロッドはティップ部分が軟らかく、バット部分はしっかりとしているのが特徴です。それほど選択肢が多いわけでは
ありませんが、専用ロッドなら安心して使えるでしょう。

サクラマスジギングでは複数タックルを用意して楽しむのが一般的です。深場は2番、浅場は0・1番という感じで使い分け、これに適合するリールをセットし複数タックルで挑むアングラーは多いと思います。

エリアの特徴によって使い分けることも大切です。噴火湾エリアは最大水深が110m程度のポイントを狙うこともあるので2番、羅臼エリアや積丹、函館、オホーツクは浅めのレンジを狙うことが多いので、0番、1番を使う方が多いと思います。

北海道のサクラマスジギングでは青物狙いと異なり、ジグをいかに飛ばさずに横向きにしてフォールさせるかが鍵となります。ブリジギングで使用しているような硬いロッドだとジグが飛び過ぎてしまい、サクラマスがジグを追い切れずアタリが遠のいてしまうので避けたほうがよいでしょう。

北海道のサクラマスジギング用、おすすめリールは?

サクラマスジギングはボトムから水面下までを幅広く探る釣りです。魚が通る水深=タナ(レンジ)を見つけることが肝心であり、そのときに威力を発揮するのがカウンター付のリールです。

サクラマスジギングではカウンター付きリールは強い味方。新調するのであればぜひカウンター付きリールを選びましょう。

リールのギア比はハイギア、パワーギアどちらでも良いでしょう。ジグを飛ばさずにネチネチとジグを動かしたい方にはパワーギアがおすすめ。ハイギアのリールでも1/2ピッチで巻き量を減らすことも可能です。深場はハイギア、浅場はパワーギアと使いわけるのも一手です。

北海道のサクラマスジギング用、PEラインは何を使う?

PEラインは1~1.2号をリールの最大巻き量に合わせて巻き込むことをおすすめします。そうすることでカウンターリールの誤差が軽減されるからです。そうした点も踏まえ、リールへのラインの巻き込みは釣具店に相談するのがベストでしょう。カラー分けされたラインを選ぶことも重要です。

各メーカーは4本編みや8本編み、12本編みなど、さまざまなPEラインを販売していますが、おすすめは8本編みです。

8本編みは強度もあり、糸鳴りがしにくい製品が多いからです。4本編みより感度は落ちるものの、強度を重視した8本編みを好んで使用しています。

お気に入りのメーカー品を使って頂ければ良いと思いますが、とくに厳冬期の釣りなので海水を吸収しにくいラインを選ぶことをおすすめします。しっかり編み込んであり、海水をまといにくいPEラインを選ぶことで、ガイドの凍結防止やグローブの濡れ防止にもつながります。

ライン、ショックリーダー、接続金具など、それぞれに吟味することが釣果アップにつながります。

北海道のサクラマスジギング用のショックリーダーは?

ショックリーダーにはフロロカーボンの4~5号を使用します。

ただし、ゲストが非常に多く、リーダーを持って魚を抜くことが多くなるような場合は6号を使用することもあります。長さは1.5~3m。サクラマスの走りを吸収する意味も踏まえ、長めにとることをおすすめします。

複数本魚をかけるとリーダーがヨレてきます。ヨレ=強度ダウンに繋がるので、気になったらラインシステムを組み替えることをおすすめめします。

北海道のサクラマスジギング用の接続金具について

溶接リング(ウェルデッドリング)やスプリットリングはジグの動きを損なわないよう、極力小さめな物をおすすめします。

各メーカーによってサイズの違いはありますが、サクラマスジギングでは4~5番がベストサイズ。

スイベルを使用している方もいますが、フォール姿勢のキープを考えるとマイナス要因になるので溶接リングのみの使用をおすすめします。

リングには溶接リング以外にも、打ち抜きリング(ソリッドリング)もありますが、打ち抜きリングはリングの内面を研磨していないのでリーダーが切れる恐れがあるので避けています。

スプリットリングも溶接リング同様、サクラマスジギングでは4~5番がベストサイズ。

ジグのアイが太いジグには大きめの物を使用します。何度かジグを変更しても開きにくい物がおすすめです。

北海道のサクラマスジギング用のジグについて

サクラマスジギング用ジグの基本はセンターバランス、もしくは若干のテール重心で、フォール時に水平フォールかバックスライドするジグがおすすめです。

水平フォールやゆっくりとしたバックスライドを演出するには後に述べるフックセッティングが重要になります。

センターバランス、または少しテール寄りに重心がセットされたジグがおすすめ。カラーはエリアや状況によって意識的に使い分けていくのがよいでしょう。

ジグのカラーについては日本海側の朝マヅメや夕マヅメの薄暗い時間帯には、暖色と言われるレッドゴールドやグリーンゴールドのようにしっかりとシルエットが見えるカラーにアタリが多いように思います。

オオナゴがベイトの際は泳いでいる時のオオナゴに最も近いカラーのグリーンシルバーが有効です。

噴火湾では濁りもあり、水深も90mと深い棚を攻略するため、フレッシュウォーターのトラウトでも人気のあるチャートやピンクにグローの入った目立つカラーがおすすめです。

キャッチしたサクラマスの胃の中や口の中に小さな稚魚が入っていた場合はゼブラカラーがとくに有効で、ブラックグローゼブラやレッドグローゼブラはグローの部分で稚魚の群れをイメージしており、サクラマスの追いが良いカラーです。

すべての海域でおすすめしたいのがパープルやブラックカラー。日が昇った後や浅ダナ狙いには抜群の威力を発揮します。

パープルのゼブラやブラックにグローが入ったカラーはサクラマスジギングには必須カラー。最後に見逃せないのが快晴時のオールグロー。これも海中に光量が多い時に威力を発揮します。

ここ数年で釣果を上げているのがチャート系カラー。これも絶対に持っていたいカラーです。

北海道のサクラマスジギング用アシストフック

フックのセッティングはフロントとリア両方にツインのアシストフックをセットするスロージギングスタイルが基本です。

アシストフックは非常に重要なアイテムです。

ジグの姿勢を安定させるため、フックはフロントとリア両方にツインのアシストフックをセットするのが基本です。他の釣り同様に渋ければフックサイズを下げ、活性が良ければフックサイズを上げます。

フックは形状的に掛かりを重視し過ぎるとバレやすくスレ掛かりが多くなります。バラさないことを重視すると掛かりにくくなりがちです。結局は、総合的にバランスのとれた形状のフックがおすすめです。

釣果を伸ばすにはアシストラインの長さ、細さ、張りを使い分けるのもポイント。潮の効いている日は3cm、4cmと長めのアシストラインを使ったフックがおすすめです。潮の緩い日は2cm、2.5cmと短いアシストフックの方がトラブルも少なくジグの動きも良いと思います。アシストラインの長さは使用するジグの長さに合わせることも大切です。

アシストラインはフロロカーボンやエステルの芯入り、細めで張りのあるものがジグのスライド時の直進性が増し、ジグの動きも邪魔をしません。フックのサイズ表記はメーカーによって異なるので注意が必要です。

すべてのセッティングが合うとジャークしても気持ちが良く、魚も掛かってくれるはずです。

北海道のサクラマスジギングで有効な釣り方

ヒットレンジを捉える、これがヒットへの第一歩です。

実釣について触れていきましょう。

船長は魚探を見ながらサクラマスが追うベイトを探します。サクラマスやベイトを見つけたら上下に幅をもたせてタナの指示を出すのが一般的です。そのタナを外すことなく狙うのが基本になります。

サクラマスジギングではヒットレンジを探ることがとても大切

サクラマスジギングではいかにゲストの魚をかわし、本命のサクラマスのタナを見つけ出せるかがポイントになります。

サクラマスが実際にヒットしたタナだけではなく、どのくらい下のタナから追わせてきたかも重要になります。

サクラマスの魚影が濃く群れも大きければヨーヨー釣りでもヒットしますが、群れを探して探して、渋いなかで1本また1本と地道に釣っていく場合は、リールの巻きを1/2回転や1/4回転などで少しずつ丁寧に、かつ広いタナを探る必要があります。

状況次第ではリールのハンドルを1/2回転や1/4回転などして丁寧に釣っていくことも大切。

サクラマスを寄せることも重要なテクニック

サクラマスの群れが薄く感じるようなときは、最初の一歩として魚を船下に集めるためには早巻きやジャカ巻きなどでサクラマスの捕食スイッチを入れる必要があります。

魚探にベイト反応が出ている場合はその層を何回か早巻きしていると、遠くにいるマスに見つけてもらい、船下に寄せることも可能です。

サクラマスジギングでは寄せて喰わせると言うイメージが大事です。寄せた後は1秒間に1回程ジャークするくらいのスピードで喰わせるとよいでしょう。

船下にサクラマスの群れを止め、それをアングラー各自がテクニックを駆使してヒットに持ち込む。こんな流れができれば船中のヒット率は大幅にアップします。

北海道サクラマスに有効なジャークとフォール

糸フケを大きく出してフォールさせるのが有効な場合もありますが、サクラマスの場合はテンションを保ったままジグをフォールさせるテンションフォールがキモになります。ジグをジャークした後に海中にゆっくり飲み込ませるように落としていくフォールアクションです。

10回のうち10回同じ動きを出せるとヒットの確率がグッと上がります。

そのためには、イレギュラーな動きをしないジグの方が安定して釣れることになります。せっかく追ってきているサクラマスもジグの飛び過ぎや、不規則なフォールが出ると見切ってしまうように思います。

テンションフォールはサクラマスジギングで重要な必須テクニック。

ジャークしている最中にアタリの様なものがあれば直ぐにクラッチを切って、ジグを5mほど落とし、誘い直すともう一度アタックしてくることも多いので試してみるとよいでしょう。

フッキングについて

サクラマスの捕食後の反転行動を考えると、ロッドでのアワセは必要ありません。アワせた後の糸フケで魚がバレてしまうことを避けるためにも、リールを巻いてアワせる、いわゆる巻きアワセで十分です。

ヒット後に反転する捕食形態、口周りの柔らかさもあって、アワセは巻きアワセで十分。

リールを2回転ほど素早く巻くことでフッキングは完了します。

パワーギアのリールでもハンドル2回転で120cm前後、ハイギアだと200cm前後巻くことが出来ます。ロッドをあおるより長い距離のフッキングが可能になるので、実戦的と言えるでしょう。

ファーストヒットを得たアングラーは船長に魚が掛かったタナを瞬時に報告、船長がマイクで皆に伝え、タナを合わせジャークして、ヒットに持ち込む、という共同作業が全体の釣果アップに繋がります。

フッキング後のファイトの注意点

サクラマスは口が柔らかく口切れしやすい魚です。

ファイト中、ロッドを立て過ぎたり、あおり過ぎたりするとバラシの原因となってしまいます。サクラマスの走る方向を見極め、ロッドティップをうまく使って引き寄せることが大切です。

水圧が少なくなる、残り20~30mになるとロッドへの負荷が減り、ティップの反発が強くなってきます。戻ろうとするロッドティップの反発力でジグが飛びやすくなり、フックが外れてしまうリスクがアップします。

このようなバラシを少なくするためにも、専用ロッドは有効。ロッドティップの軟らかさが重要となります。

ランディングの注意とトラブルを回避するコツ

近くのアングラーがヒットさせたらチャンス到来、でもありますが、回収してファイトに協力するのも大切です。

ランディングは船上のみんなで協力することが大切です。

サクラマスを海面から出してしまうと魚体の重みで口切れしやすいので、ネットを入れる直前まで海中でサクラマスを待機させることが大切です。焦ることなく、アングラーサイドでサクラマスの頭をネットに誘導します。

スレ掛かりやサイズの良いサクラマスが掛かった場合は横に大きく走ることが多いのが特徴です。隣のアングラーのラインが走る、または流されていたら素早く自分のラインを回収し、ファイト中のアングラーが魚を上げてからジグを落とす方が、オマツリなどに巻き込まれることも少なく、かえって効率的です。

ヒットしたタナやパターンをみんなで共有し、オマツリの多い釣りでもあるサクラマスジギングは船長とアングラー全員の協力戦でもあります。

北海道のサクラマスジギングを安全に長く楽しむために

サクラマスは大切な北海道のオフショアターゲット。末永く楽しんでいくためにも、レギュレーションの有無に関わらず必要以上のキープは避けるようにしたい。

北海道のサクラマスジギングでは、ホッケやスケソウダラなどのゲストも多く、フックを外すのが大変なことも多いのが特徴です。 

フックを刺してしまうトラブルなどを防ぐためにも、専用のフック外し(フックリムーバー)を使うと簡単にフックを外せますし、安全でもあります。

北海道のサクラマスジギングは最もシーズンインの早い羅臼から始まり、噴火湾、日本海、道南、6月のオホーツクまで7カ月間に渡って楽しむことが出来ます。

ぜひ皆さんには北海道のサクラマスジギングをめいっぱい楽しんで欲しいと思っています。

そして自主的定数ルールなどのレギュレーションを守り、末永くこの釣りを楽しんでいただきたいと思います。

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