画像提供:㈱がまかつ
がまかつ2026新製品のタイラバ用ネクタイ「桜幻シリコンネクタイ メガシングルカーリー」、そして「桜カーリー」が登場! 兄弟分ともいえる2つのアイテム開発を担当した同社の松島彰吾さんに、開発の背景、形状の狙い、こだわりのカラーラインナップ、セッティングや使い分けのアドバイスまで、ググッとヤップ!が訊き出しました!
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桜幻シリコンネクタイ メガシングルカーリー&桜カーリーをリリースする背景となった近年のタイラバ事情
ヤップ まずは桜幻シリコンネクタイ メガシングルカーリー&桜カーリーを開発する背景となった、近年のタイラバネクタイ事情から教えてください。
松島彰吾(以下、松島) 近年、タイラバ用ネクタイは、いわゆるビッグベイトと呼ばれる大型のものがトレンドです。フィールドにもよるとは思いますが、ビッグベイト登場以前は細身で頼りないストレート系のネクタイが長い間の定番だったと思います。マダイが捕食しているものが甲殻類中心で、コンパクトで細かく動くネクタイが良いとされていたからです。

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ただ、明石のように潮流が非常に速く、地形も複雑な場所で、さまざまな遊漁船の船長がポイントを開拓していく中で、普通なら潮流が速すぎて釣れないだろうというエリアでも釣果を出す船が現れました。最初は自作していたようですが、厚みのあるビッグベイト的なネクタイを使い始めたんです。こうした動きに注目し、がまかつとしても効果的なものができないか、ということで、社内で検討を重ねました。
私以外にもタイラバ好きの若手社員がいますので、協力しながらどんな状況でも使えるようなビッグベイトを意識したネクタイを出してみようということで、開発プロジェクトを2年ほど前にスタートしました。明石を起点に広がってきたこのビッグベイトを使った釣りは、さまざまなフィールドでも展開され実績も出ており、いまもひとつの流れになっていると感じています。

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桜幻シリコンネクタイ メガシングルカーリーとは?
ヤップ 2026年の新製品である2つの桜幻シリコンネクタイのうち、まず、メガシングルカーリーについて教えてください。
松島 メガシングルカーリーは桜幻シリーズの中で最大のボリュームを持つネクタイです。幅も長さも最大級で、伸ばすと240 mmあります。厚みも1 mmのシリコンシートを使っていて、これも桜幻史上では最も厚いものです。一般的に流通しているネクタイでは0.8 mmでも厚めと言われます。いまでは1 mmを超えるものも少しずつ出てきていますが、開発着手時には最大級の厚みでした。しかし、単純に市場で最大、最厚を狙ったわけではなく、対応できるターゲットやシチュエーションの幅の広さを優先したサイズや幅、厚みに落ち着きました。
メガシングルカーリーは、タイラバの基本である1秒でハンドル1回転はもちろん、それよりかなり速い、ハイギアで1秒2回転くらいのほとんど回収に近いスピードで巻いても、しっかり大きな振れ幅で動くように設計しています。そこがこのネクタイの大きな特徴です。
〇メガシングルカーリーアウター動画(横)
〇メガシングルカーリーアウター動画(後方)
直線部分がトラブルを減らしフッキング率を高めてくれる
ヤップ メガシングルカーリーのデザイン面では、どのあたりが大きなポイントになりますか?
松島 デザインについては、桜幻のネクタイすべてに共通しているものとして、ユニットに取り付ける部分からカーリーが始まるまでの間に、あえて直線部分を設けていまる点が特徴です。この直線部分にフックポジションを持ってくることで、ネクタイにフックが干渉しにくくなりますし、動かない部分があることで、マダイがバイトポイントとして捉えやすくなります。
直線部分をなくして全体をカールさせるとヘッドの真後ろからネクタイが暴れるので、魚が捕食する時にヘッドがバイトポイントになりやすいんです。そうなると、大きなマダイほど口の中まで入ってしまって、歯でラインブレイクすることが増えてしまいます。

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そこで、桜幻では上部の2~3 cmほどを直線にしてバイトポイントを残すことで、しっかり口元にフックアップしやすくしています。もちろん丸呑みされることもありますが、基本的にはマダイはフォール中にタライバに注目して追ってきて、巻き始めて横に来たところでガツッと食うことが多いので、その時にバイトポイントのスペースを設定することで、高確率でフックが唇に掛かる設計になっています。
直線部分があることでフック絡みなどのトラブルが減ることも大きなメリットです。ネクタイがグリングリン動くなかにフックがあるとどうしても絡みやすいですし、ファーストフォールで絡んでいたら、その流しはずっと釣れないままになってしまいます。絡みなどのトラブルを避けることと、バイトポイント、アピールポイントをネクタイの中で分けることが、釣果を上げるうえでとても大事だと思っています。
メガシングルカーリーの幅は途中から急に太くなる!
ヤップ 幅の広さやカール形状にもこだわりあり、とのことです。詳しく教えてください。
松島 メガシングルカーリーの幅は、途中から急に太くなるような形状にしています。カーリー部分の振れ幅を大きくしたいなら、水を受ける部分を幅広くした方がいいという結論に至ったからです。太くすることで、左右への振れ幅が非常に大きくなり、ピッチはゆったりした動きになります。いっぽう、テール部分は細く長くしてあるので、付け根の大きな動きに追従しながら、後方では細かいピッチでしなやかに動くようにしています。つまり、食わせる部分、大きく動かして見せる部分としなやかに追従する部分を明確に分けているのです。

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桜幻シリコンネクタイ 桜カーリーとは?
ヤップ もう1つの新製品、桜カーリーはどんな特徴を持つネクタイなのでしょうか?
松島 桜カーリーは、0.8mmのシリコンシートを使ったネクタイです。こちらもストレート部分を設けてバイトポイントを作るという考え方はメガシングルカーリーと共通しています。ただ、こちらはテールまでしっかり幅を持たせているのが特徴で、カーブの中心付近に少しくびれを持たせて、動きに変化をつけています。見た目もメガシングルカーリーよりぽってりしていますし、動きとしてはハイピッチです。細かくパタパタと動くネクタイですが、メガシングルカーリーと同様に速い流れの中でも動きが破綻せず、しっかり振れ幅とピッチを生み出してくれます。メガシングルカーリーがゆったり大きく動くタイプなのに対して、桜カーリーはより細かなピッチで誘うタイプです。

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〇桜カーリーアウター動画(横)
〇桜カーリーアウター(後方)
桜幻シリコンネクタイ メガシングルカーリー&桜カーリーに共通の特徴
ここからはメガシングルカーリーと桜カーリーに共通の特徴を掘り下げていきます!
一粒で二度美味しい!? アウターカットとインナーカット
ヤップ ふたつの製品に共通する特徴としてアウターカットとインナーカットがひとつのパッケージに入っています。これはどういった考え方からですか?教えてください。
松島 これまで説明していたのは、実はメガシングルカーリー、桜カーリーともにアウターについての特徴でした。メガシングルカーリーと桜カーリーはアウターとインナーの2枚構成になっています。この2枚構成の理由を正直に言えば、ひとつは素材を無駄にしないためでもあります。このサイズ、この厚みのネクタイはどうしても単価が高くなるので、捨てる部分の材料でも何か工夫できないかと考えました。
その中で、対照的にスリムなネクタイも作ってみようという発想が生まれました。メインはアウターですが、ダイナミックなネクタイが効かないタイミングはもちろんあります。そんな時に、同じ厚みであっても細くてボリュームを抑えたネクタイがあれば、潮には負けにくいけれどアピールは抑えられます。そういった次の一手として、インナーが生まれました。
桜カーリーにもアウターとインナーがありますが、アウターはいままでフィネス寄りのタイラバをしていた人でも違和感なく使えるくらいの、一般的な「大盛りサイズ」です。さらにインナーに関しては、いわば「ひと口サイズ」です。もっと大きくすることもできましたが、あえてコンパクトにしました。ただし、小さいからといって速い潮に弱いわけではなく、このインナーもきちんと振れ幅とピッチを稼げるようにしています。メガシングルカーリーの弟分のように捉えていただいてもいいと思いますが、単純にサイズ違いというより、ピッチの違いまで含めて使い分けるべきネクタイです。
〇メガシングルカーリーインナー動画(横)
〇桜カーリーインナー(横)
メガシングルカーリーと桜カーリーのカラーラインナップ
ヤップ カラーについては、どのような考え方でラインナップを組んだのでしょうか?
松島 タイラバでマダイを狙う以上、どうしても外せない定番色が赤とオレンジです。なので赤とオレンジは外さずにラインナップに加えました。さらには黒を多用しているのが特徴のひとつだと思います。以前、大学の研究機関で、マダイの心拍反応を色ごとに調べる研究を見せてもらったことがあります。そこでは赤と黒に対して特別な反応がみられたと聞きました。
オレンジなどの暖色系にも反応はあるのですが、赤と黒が顕著だったそうです。そういった背景もあり、カラーラインナップは赤と黒を散りばめたような配色を多用する傾向があると思います。魚はしゃべってくれないので結果がすべてです。これまでのテストの結果を見ても、やはり赤と黒は外せないと感じています。オレンジも、ケイムラっぽい発色のものと少しクリアがかったものとで釣果に差が出るように感じるので、そうした差もカラー設計に反映しています。

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また、若い社員からのアイデアもあって、遊び心として桜の花びら柄にしました。差し色の面積比も意識していて、今回は全体の20~23%程度に抑えています。差し色ですから多すぎても良くないわけです。過去に水玉で両面14%、ゼブラで25%くらいのものを作った時に、釣果差が出る場面があったので、その中間を狙った形です。
さらに、シーズンやエリアによってはグリーンも効きます。とくに黒潮の影響を受けるフィールドでは、緑系が爆発するタイミングや場所があると感じています。今回のラインナップの中では一番売れにくい色かなと思いますが、爆発するタイミングで持っていると、自分だけいい思いができることもあると思いますよ。
フックセッティングについてのアドバイス
ヤップ おすすめのフックセッティングも教えてください。
松島 フックは桜幻シリーズの各種フックが使えますが、刺さり優先なら「桜幻 カスタムフック スーパークイック」がよいと思います。このフックはかなり鋭く、通常のドラグ設定であれば魚に対しては十分な強度ですが、歯で噛まれたり、釣りあげたマダイからプライヤーで外す時に破損の恐れがあるので注意してください。それでも魚はしっかり獲れるフックです。サイズは3SからMまでありますが、メガシングルカーリーのような大きなネクタイで大きい魚を狙うならMがおすすめです。他のフックを使用するときでもSやMくらいの中間サイズが良いと思います。ハリ数は2本バリでも3本バリでも良いと思います。私は4本バリも使いますが、いずれにしても一番下のフックまでストレート部分の中に収めることが大切です。

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タイラバヘッド選択についてのアドバイス
ヤップ タイラバヘッドのセレクトをどう考えればよいでしょうか?
松島 ヘッドについては、特別な相性というより、水の抵抗を考えてウエイトを調整することが大切だと思います。メガシングルカーリーはとくに抵抗が大きいので、普段60 gのヘッドで底が取れる場所でも80 gに上げた方がよいことがあります。
また、メガシングルカーリーも桜カーリーも振れ幅が大きい分、水の抵抗を強く受けます。そのため、フォール中にネクタイとユニットが分離する傾向があります。分離すると仕掛けがぐちゃぐちゃになりやすいので要注意です。予防策としては、「桜幻シンカーストッパー」の利用がおすすめです。こうしたアイテムを利用してシンカーとユニットを密着させた状態で使っていただきたいですね。落としたり巻いたりしているときは固定式に近くなりますが、魚が掛かった時には外れるのでバラシにつながることはありません。仮止めのようなものです。メガシングルカーリーや桜カーリーのようなボリュームのあるネクタイを使うなら必須アイテムだと思っています。
開発者オススメのネクタイローテーション
ヤップ メガシングルカーリーと桜カーリー、その他のネクタイなどをどのようにローテーションしていくのが効果的か教えてください。
松島 まず、ベストコンディションだと思える日には、メガシングルカーリーのアウターを使ってもらいたいです。ノッコミシーズンなどもメガシングルカーリーから使ってもらってもよいかと思います。逆に、厳寒期などの厳しいシーズンや活性が低いと思われる状況であれば、ボリュームを抑えたものからスタートした方がバイトは多くなると思います。
状況が読めないなら、まずはアピールの大きいネクタイで活性の高い魚を先に拾いにいくのもひとつの手です。群れになっていない魚や、フラフラしている魚を寄せるには、アピールが大きい方が有利なこともありますし、我先に捕食しようとしているまだにも、大きい方が効くことがあります。
いっぽうで、目の前を通ったものだけをパクッとくわえてすぐ吐き出すような時には、ひと口で収まるような小さなボリュームのネクタイにした方がフッキング率は高くなります。そういう時は桜カーリーのインナーが良いと思います。

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イワシなどのベイトを積極的に追っている時も、大きいネクタイが効くことはありますが、イワシがベイトであっても小型中心でサイズとしてマッチ・ザ・ベイトの考えが当てはまる場合もありますし、サイズに関係なく暴れず、短い振れ幅で速いピッチの方が良い場合もあります。ですから、イワシがいるから必ずビッグベイト、という単純な話ではありません。大きいもので反応がなければ、同じ系統のままボリュームを落とす。そういう組み立てが大事です。
さらに活性が低い時に備えるなら、この2つに加えて「桜幻 シリコンネクタイ スリットカーリー」を持っておくとよいと思います。薄く、幅も狭く、中央にスリットが入っているので、タラタラっと動いてくれます。活性が低い時はスリットカーリー、動き始めて活性が上がったら桜カーリーやメガシングル、というふうにローテーションを組むと、かなり組み立てやすくなります。
メガシングルカーリーと桜カーリーは、ひとつのパッケージの中でローテーションが組めるのも大きなメリットです。私はタイラバをする時、色は変えずにカットパターンだけを変える、というローテーションをよく行います。色も形も両方変えてしまうと、何が効いているのか分からなくなるからです。ある色で釣れていたら、まずその色に合わせたまま違うカットパターンにしてみる。そこで反応が出れば、色も形もどちらも正解ですし、反応が落ちれば振れ幅やピッチの違いが釣果の要因だと推測しやすくなります。そうやって要素を絞り込んでいくと、アタリがない時の対応もしやすくなります。
この場合の私の使い方としては、基本的にはアウターからスタートして、アタリが遠い時にボリュームを抑えていく、という考え方が基本になります。ただし、水温が1年で最も低いような時期などは、最初からアピールの小さいものから使った方が結果が良いこともありますので注意してください。
ヤップ メガシングルカーリーと桜カーリー、それぞれの製品特徴に留まらず、実戦的なアドバイスの数々をいただき、ありがとうございました。本格的な春シーズンに向けて、多くの「タイラバ―」の皆さんに使っていただきたいですね。
桜幻シリコンネクタイ メガシングルカーリー
桜幻シリコンネクタイ 桜カーリー

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