タイラバでワームを使うときは誘いのアピールを増したり、あと一歩の食い渋りを打開するための威力を期待することが多い。ワームの種類や効果、使い分けについて知ることで、タイラバゲームの攻略パターンを増やしておこう。
この記事を書いた人高橋大河(たかはし・たいが)
1980年代より釣り雑誌、釣り具メーカーに関わる各種メディアで活動するフリーライター。専門は淡水・海水のルアーフィッシング。入門向けからマニアックな記事まで幅広く執筆する。雑誌「ソルトワールド」元編集長。タイラバ、インチクなどを使った釣り「漁具ING」を世に広めるきっかけを作った張本人。「ルアーフィッシングをはじめよう」(山海堂)ほか著書多数。
タイラバでのワームのメリット1 ベイトを再現する豊富なバリエーション
タイラバ用のワームには、エビやカニなどの甲殻類を模したものから、ゴカイなどの多毛類を模したもの、小魚を模したもの、イカ・タコを模したものなど、さまざまなタイプが存在します。これらを使うことで、そのときマダイが食べているベイトの形状やシルエットを再現しやすくなることが大きなメリットです。
テールの形状もピンテールと呼ばれるストレートなものを筆頭に、カーリーテール、シャッドテールのように動きの大きいタイプもあり、それぞれに異なるアクションと波動を発生します。波動の強さはマダイに対するアピール度に直結するので、使い分けることでその日の活性にマッチさせることが可能です。
ネクタイやスカートでは表現しきれない豊富なカラーパターンがあることもワームの魅力。ナチュラルなカラーと派手なカラーを用意しておけば、幅広い状況に対応することが可能です。
サイズは1インチから4インチが標準。なかでも多用するのは2インチから3インチのもの。これを基準に、ベイトのサイズや活性を見ながら最適な大きさを探り当てていくのが基本です。
タイラバでのワームのメリット2 付けることで集魚効果とフッキング率が向上
ワームには匂いの成分を配合したり、エビなどから抽出した天然エキスを混ぜ込んだりしたものもあり、集魚効果も抜群。離れた場所にいるマダイにタイラバの存在を気付かせる役割もあります。薄暗い時間帯や濁りのある海域でも、しっかり誘ってくれそうですね。
フックに付けたワームがバイトマーカーになることで、マダイがフックを狙ってダイレクトにアタックすることもメリットのひとつ。ソフトでボリューミーな食感はマダイが放しにくいため、フッキング率の向上も期待できます。
隠れたメリットとしては沈下速度のコントロールが挙げられます。タイラバをよりゆっくりフォールさせたいときにワームの水中抵抗が効果的に働きます。
ワームの浮力によってリトリーブ中のフックの垂れ下がりを防ぎ、ネクタイと同調させやすくなることも覚えておくと良いでしょう。ネクタイと同調することで、フッキング性能の向上が期待できるわけです。
単体・ミックスなど使い方のパターンも豊富
ワームの使い方は、ネクタイと併用する方法と、ワーム単体で使う方法のふたつに大別されます。
前者はスカート、ネクタイは残したままでワームをプラスする方法。後者はワームのみを使ったシンプルなスタイルです。ほかにはネクタイ型のワームをネクタイの代わりにセットすることもあります。初めて試すならネクタイもスカートも残したままで、フックにワームを装着するのが無難です。
小型のワームをフックに刺す場合はチョン掛けにするのが一般的ですが、ボリュームのあるタイプは通し刺しのようにして使うことも可能。ただし曲がった状態で使うとタイラバが回転したり、糸ヨレの原因となったりするため、装着には注意が必要です。
まとめ タイラバでのワーム使い方は自由だが取り扱いには注意が必要
ワームは2本のフック両方に付けても良いし、片方だけでもOK。2本つける場合は両方に同じワームを付けるもよし、それぞれに形や色の違うワームを付けるのも自由です。いろいろな組み合わせを試して釣果に結び付けましょう。
使用後はハリから外し、別々に保管するのがベター。長時間装着したままにしておくと、ハリが錆びてしまったり、ワームが溶けたり乾燥したりして、ほかのパーツや収納ケースに影響をおよぼしてしまう恐れがあるからです。
ワームにはいろいろなメリットがありますが、その効果ゆえ、付けることで小型のマダイやゲストのバイトが増えてしまうこともあります。そんなときはワームを外してみるなどして、ケースバイケースで対処してくださいね。
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