【チニング】東京湾ボートチニング：概要編【教えて！　バスメイトさん】

徳永兼三（とくなが・けんぞう）東京都大田区でプロショップ『BASS MATE』を経営するエキスパートアングラー。バスフィッシングからマグロ、GTといったビッグゲームまで幅広くこなし、国内外のフィールドに精通。これまでに数々のレコードフィッシュを釣り上げている。

池貝雅俊（いけがい・まさとし）バスフィッシング、シーバス、近海のオフショアなど関東周辺のルアーゲーム全般に造詣の深いバスメイトの店長。タックルに関する知識も豊富で、店内で扱う商品在庫のすべてを把握していると言っても過言ではない。

いえいえ、ありますよ。たしかヤップ君はバスフィッシングの経験もあるんですよね。でしたら東京湾のボートチニングはいかがですか？　道具や釣り方もバスフィッシングと似ているし、釣り場も羽田の桟橋からすぐ近く。うちでガイドもやっているんですよ。

東京湾ではどちらもねらうことができます。ただ釣り方は微妙に違って、クロダイ（チヌ）はストラクチャーの落とし込みフィネスゲーム、（主にバスフィッシングで使われる用語で繊細な釣りの意味）、キビレはキャスティングで河口域のボトムを広く探ることが多いですね。

はい、基本的に両者は棲み分けしています。ただ、キビレ狙いでもストラクチャーや岩場に隣接している場所ではクロダイがまじることもありますし、逆にクロダイ狙いの落とし込みでも、水深の浅いストラクチャーではキビレが交じることもありますよ。

東京湾のボートチニングにオフシーズンはない、と言っても過言ではありませんが、なかでも夏はクロダイがよく釣れます。5月に産卵を終えて、回復した個体が活発にエサを取り始めることもあって、初めてトライする方にも絶好の季節です。キビレも秋から初冬にかけての一時期を除けば一年中釣れるので、クロダイと同じく長く楽しめますよ。

ワンタックルで両方やることも可能ですし、落とし込み用とキャスティング用、それに予備のタックルを入れて、ひとり3セットまで持ち込むことも可能です。

落とし込みのフィネスは、やり込んでいくとベイトタックルのほうが断然使いやすくなりますし、最近はキャスティングでも、ベテラン勢はベイトタックルを使う方が主流になりつつあります。ただ、基本的にはベイト、スピニングどちらでもいけます。ロッドの長さは6.6フィートから7フィート前半くらいが使いやすいですね。

もちろんそれでも大丈夫。軟らかめのシーバスロッドでもいいですし、強めのバスタックルでもOK。手持ちのロッドから始められるのもこの釣りの魅力です。

クロダイ専用ではないですけど、落とし込み用にはソルトウォーター用のベイトフィネスロッドが存在します。また、ボートチニングでいえばチニングロッドが各社から出ているので、新たに揃えるならそうしたロッドから選ぶといいですよ。

落とし込みにしろ、キャスティングにしろ、喰い込みの良いロッドを選ぶことですね。棒のように硬いロッドは魚に違和感を与えてしまうだけでなく、軽いルアーも扱いにくいですから。ある程度ティップが軟らかいロッドを選んで、まずは気軽にチャレンジしてみてください。