秋の東京湾を代表するエキサイティングなゲームと言えば、コノシロをはじめとしたビッグベイトパターンのシーバスゲーム。ランカーサイズを手にするためにはどんなルアーを、どんなタックルで使うのがベターなのだろうか。今回はこの釣りについて徳永さんに聞いてみた。
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登場人物
釣り経験はあるものの、ビギナーレベルから抜け出せずにいる30代男性。オフショアゲームでエキスパートを目指すべく奮闘中。
徳永兼三(とくなが・けんぞう)東京都大田区でプロショップ『BASS MATE』を経営するエキスパートアングラー。バスフィッシングからマグロ、GTといったビッグゲームまで幅広くこなし、国内外のフィールドに精通。これまでに数々のレコードフィッシュを釣り上げている。
池貝雅俊(いけがい・まさとし)バスフィッシング、シーバス、近海のオフショアなど関東周辺のルアーゲーム全般に造詣の深いバスメイトの店長。タックルに関する知識も豊富で、店内で扱う商品在庫のすべてを把握していると言っても過言ではない。
ビッグベイトパターン成立の条件は?
徳永さんこんにちは! そろそろ東京湾名物シーバス・コノシロパターンの季節ですね。そもそも東京湾であんなスゴイ釣りができるのはどうしてなんですか?
東京湾の入り口にあたる観音崎沖がシーバスの産卵場になっているからです。11月から12月にかけて、湾奥から産卵場に向かうシーバスの群れが、同じく産卵行動中のコノシロの群れと出会うことによってビッグベイトパターンが成立します。コノシロはたくさんいて食べやすいですからね。ちなみに東京湾のシーバスだけじゃなくて、相模湾や房総の磯シーバスもここで産卵すると言われているんですよ。
なるほど、そうなんですか。大型の確率が高いのも、産卵にからむ個体だからなんですね。
普段は70センチアップが100本に1本、80センチアップは300本に1本の確率と言われていますが、この釣りで釣れればほぼ大型ですからね。ヤップ君もランカーシーバスを手にするチャンスですよ。
でも、コノシロの群れって毎年いるとは限らないですよね。もしもシーバスとコノシロが出会わなかったら、このパターンは成立しないってことですか?
たしかにコノシロがいなければ「コノシロパターン」は成立しませんが、東京湾にはコノシロ以外にもボラなどの大きなベイトが常にいるので、広い意味でのビッグベイトパターンは年間を通して有効です。秋はそれが一番有利なパターンになる季節、ということですね。
じゃあ多少確率が落ちるのを承知のうえで、他の季節もビッグベイトにこだわってみるのもアリってことですね。
もちろんです。今年は9月の時点であちこちにコノシロの小さい群れがいて、それにシーバスが着いているという状況もありました。冬に向かって水温が下がり、群れが固まれば楽しめると思いますよ。
ルアーセレクトはサイズとレンジを見極めることが大切
ルアーはどんなふうに選んだらいいですか?
その年のコノシロの大きさに左右されるので、まずはそれをしっかり見極めることが大切です。たとえば2~3年前は大きなコノシロが多かったので、メガドッグのように20センチ以上で100グラムを超えるジャイアントベイトが爆発。コノシロが小ぶりだった去年は、ルアーも一回り小さいものが圧倒的に当たりました。
となるとサイズは何種類かあったほうがいいですね。
そうです。ベイトサイズに合ってなくても釣れないことはないですが、合わせることでより本気食いのバイトを得ることができます。100グラムオーバー、50~70グラム、40グラム前後の3サイズを持っていればどんな状況でも対応できるでしょう。
ボクはできればペンシルベイトで釣ってみたいと思っているんですが、ペンシルだけでも何とかなりますか?
そこは人それぞれなので、ペンシルベイトで通してしまうことももちろん可能です。ただ、確実に釣果を得るためにはほかのタイプもあったほうが安心ですね。
具体的にはどんなルアーですか?
ウェイキーブーやサザンカのように、水面に引き波を立てて泳ぐウエイクベイト系がひとつ。ゆっくり巻くだけで魅力的に動いてくれるので、シーバスが激しい動きに出きらないときにも効果的ですし、パイロットルアーとしても使えます。鵜に襲われて水面でヨタヨタしているコノシロの動きにも似ているんですよ。
それは釣れそうだなあ・・・。シーバスがトップに反応しないときはどうするんですか?
その場合はシャッド系などのサブサーフェスプラグで水面下を攻めます。私が使うのはコノシラスシャッドやコノシラススイマーですね。タダ巻きでもいいですし、これでコノシロの群れを蹴散らして、ニュートラルなシーバスのスイッチを入れるという使い方もします。ほかにはS字系のスイムベイトも使う人が多いですね。
バイブレーションプラグはどうですか?
バイブレーションも重要なルアーのひとつです。サイズ的には10センチ前後が多く、特大のコノシロに対応するものは少ないですが、サイズ感を補うだけの波動と水押しがあります。深いレンジを探るときは圧倒的な釣果を期待できますよ。それらのルアーをローテーションしてヒットパターンを探すので、いろいろな形でゲームが展開していく面白さがあります。
後編に続く
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