早朝の1投目は超重要。キンメは夜行性。スタート時は浅め、次第に深場に落ちていくのを狙うのがセオリーだ。

海底付近をいかに確実に丁寧に探れるかがポイント

船上での釣りの流れを紹介しましょう。

ポイントに着いて船長が状況を把握したら投入の合図が出ます。

キンメジギングに限らず、深海の釣りの特徴はオマツリを避けるため順番に投入する、ということです。多くの場合は片舷に並んで乗船、ミヨシから順番に投入の合図が出ます。準備が間に合わなければ1回お休みです。

一般的なキンメジギングでは1日の釣りで投入回数は10回未満となることがほとんどです。投入できないことはとても大きなペナルティとなります。合図が出る前に万全の準備をしておくことが大切です。

とくに朝一番はヒット率が高いので、準備が間に合わないことでのお休みは絶対に避けたいところ。タックルの基本的なセッティングは乗船前に行っておくとよいでしょう。

ミヨシから順番に投入していく。フックを手に刺さないようにリーダーを持って落とすのがおすすめだ。

投入時はフックが多いので投入時に手に刺さないようにします。ジグがヘビーなのでフックがザックリと刺さってしまうのでとても危険です。細心の注意を払いましょう。

ジグを投入したらボトムにつくまで適宜サミングしてバックラッシュを防ぎます。バックラッシュをして周りのアングラーとジグが落ちる軌道が変わるとオマツリの原因となってしまうことがあります。簡単な動作や配慮ですが、キンメジギングでは投入がとても重要なことを理解しておきましょう。

見事? 着底に成功したらなるべく素早く10メートルほど空巻きして余分な糸フケを取ります。海底にジグを置いておく時間が長くなればなるだけ根掛かりのリスクが増えてしまうので要注意です。

空巻きしたら再び落とし直して底を取り、ロッドワークスタートです。

ロッドワークはシンプルなワンピッチジャークが基本となる。

みで曲がっていたロッドがまっすぐになったら2~3秒ステイ。アタリがなければロッドを下げながら、下げた分だけリールを巻いてラインを回収。またロッドを上げてジグを持ち上げる、という動作を繰り返します。

海底付近を集中的に狙うのがセオリーですが、キンメダイは根魚ではありません。ときに10メートル、20メートルくらい浮くこともあります。状況によって攻めるレンジは変える意識を持ちましょう。

基本動作であるスローなワンピッチジャークのほかにも、高くジグを持ち上げて落とすことでフォールでの誘いに特化したパターンや、ただ巻きで誘うパターンも効果的。基本アクションでアタリが出ない場合は試してみるとよいでしょう。

船の上下によってラインテンションが変化しないよう、全身を使ってショックを吸収しながらやり取りする。

やり取りは一定速度で巻き上げることを心掛ける

アタリの出方はトンッ、コツコツッと明確に伝わるものから、根掛かりと判別がつかないものまでさまざまです。

間違いなくアタリ! という場合はリールを巻いてアワせる、いわゆる巻きアワセを行います。

アタリかどうか分からない場合は、ゆっくりロッドを上げて重みを確かめるか、リールのクラッチを切って1回切ってフォールしてみるとよいでしょう。魚が掛かっていればジグが落ちる速度がとても遅くなります。ジグが重いのでこの動作が確実なフッキングにもつながります。

慣れないうちは違和感があればとにかくアワせていくのがおすすめ。感覚的な重みの違いを覚えていくことが大切です。

やり取りは一定の速度でゆっくり巻き上げてくることを意識します。船の上下に合わせて巻く速度を調節、船が波で持ち上げられたときはドラグが滑ってラインを放出、口切れ、身切れを防ぐことができる程度に調節しておくとよいでしょう。

やり取り中のバラシが多い釣りです。貴重な1枚を確実にキャッチできるよう、丁寧に巻き上げることが大切です。スピードのある走りが自慢、という魚ではありません。10分以上に及ぶ、「外れないで!」というハラハラ、ドキドキ感がキンメダイとのファイトの醍醐味です。

最後は丁寧にネットですくってもらう。水面でバラしたらキンメダイは海中に逃げてしまうぞ!

最後はタモ取りで終わらせることが大切です。キンメは浮袋がないのでハリが外れたら泳いで行ってしまいます。最後まで丁寧に、を心掛けましょう。

速く、複雑な潮を攻略し、確実に海底にジグを届けるには、いくつかの工夫が求められる状況も多い。

速い潮、複雑な潮への対策、根掛かり対策のあれこれ

キンメジギングでは比較的フラットなポイントを釣る場合もありますが、潮が当たるカケアガリを攻めていくことも多いのが特徴です。速くて複雑な潮流をいかに攻略するか、同時に根掛かりをいかに避けるか、ということが釣果を大きく左右します。

釣りが成立しない、というほどの速い潮、複雑な潮流の場合は、アングラーサイドでは打つ手がありません。船長としてもお手上げ、ということもあるのが深海ジギングです。

それでも努力次第ではヒットの可能性をアップすることができることもあります。以降、速潮&悪潮攻略の工夫を紹介しましょう。

基本的な考え方として可能な限り糸フケを出さない、ということが挙げられます。潮流の速い海域を中心に深海を釣るキンメジギングでは二枚潮、三枚潮は普通です。

状況に合わせて適度にサミングしながらジグを落とし、着底を感じたら10~20メートル程度ただ巻きします。潮の流れが速ければ、なるべく長く巻き、底を取り直す回数も多くすることが大切です。

潮が速くて着底が分からなくなってきた、というときは着底するまでにいったんジグを止めてラインを張るという動作を2~3回繰り返してもよいでしょう。ただ、止めておくだけはジグがフケ上がってしまい、流されるだけの状況もあります。ここはケースバイケースで考えましょう。

ジグはウエイト、形状を意識的に変えて用意しておくと状況変化への対応力がアップする。

タックル面でできることは、まずジグを重くすることです。

深海のボトム周辺を釣るキンメゲームといえ、できるだけ軽いジグのほうが楽に釣れますし、ヒット率も高くなります。底を取れる範囲でなるべく軽いジグを使うのがセオリーですが、速潮、悪潮の場合は底を取ることが最優先。ジグを重くすることをおすすめします。

重さだけでなく、沈みの速い、抵抗の少ない形状のジグをセレクトするのも一手です。一般的には棒状の、細身のジグ、リア側に重心を設定しているジグがスピードフォールに向いています。ウエイトアップとともに考えておくとよいでしょう。

メインラインを細くする、というのも有効な手段。ファイヤーラインや低伸度PEラインの2号が標準と紹介しましたが、これを1.7号、1.5号に落とします。ベイトタックルを使うのが一般的なので、あらかじめ異なるラインを巻き込んだリールの予備を用意しておく必要がありますが、ラインを細くすることの効果は極めて大きいです。ラインブレイクのリスクがアップすることがデメリットですが…。

底取りを確実にすることは根掛かり対策の第一歩でもあります。糸フケを出したままジグを海底にゴロゴロ転がしてしまえば、当然、根掛かりが増えるいっぽうです。

ただし、キンメジギングでは根掛かりによるジグロストは、ある程度は避けられません。根掛かりが頻発するときは、プライヤーでフックポイントをネムらせるのも効果的な手段です。アングラーサイドでできる簡単な防御策です。ぜひ試してください。

タックルを揃えるのは高価。決して簡単でもないキンメジギングだが、名手をも笑顔にする魅力があるのは間違いない。

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