ジギングのメインラインはPE一択と言っても過言ではありません。ほかのラインもあるなかで、なぜPEラインが選ばれるのか、PEラインにはどんな種類があるのかなど、PEのあれこれを検証してみましょう。
この記事を書いた人高橋大河(たかはし・たいが)
1980年代より釣り雑誌、釣り具メーカーに関わる各種メディアで活動するフリーライター。専門は淡水・海水のルアーフィッシング。入門向けからマニアックな記事まで幅広く執筆する。雑誌「ソルトワールド」元編集長。「ルアーフィッシングをはじめよう」(山海堂)ほか著書多数。
細く、強く、しなやかで感度にも優れるPEライン
PEラインのPEはポリエチレンの略。
ナイロンライン、フロロカーボンラインなどのモノフィラメント(単線)と異なり、ポリエチレンの細い糸を複数本編み込んだブレイテッドライン(編み糸)です。
PEラインの製品名にある「×4」「×8」などの表示は、編み込んである糸の本数を表しています。
PEラインの特徴はいくつか挙げられますが、そのうちのひとつが同じ強度ならナイロンやフロロカーボンより細いこと。
同じサイズのリールに同じ強度のPEラインなら、他の素材のラインより多く巻きこむことができます。逆にいえば同じ量を巻くならリールを一回り小型・軽量化することが可能です。
しなやかで巻きグセが付きにくいことや、吸水や紫外線による劣化が少ないこと、伸び率が低く感度に優れることも大きなメリットです。
伸び率が低いことはジギングではとくに大きな利点。
伸びが少ないため深いポイントでもジグを意のままに動かすことが容易で、魚のアタリや潮流の変化といった情報も明確に伝わります。
欠点は根ズレなどの摩擦に弱いことや風の影響を受けやすいことですが、前者はショックリーダーの併用で対処することが可能。後者の弱点はキャスティングに比べジギングではそれほど問題がないと言えるでしょう。
ナイロンやフロロカーボンはPEより勝る点もありますが、ジギングの場合、リールに巻き込む糸(メインライン)として考えた場合は、PEに軍配が上がります。
編み込み本数に色分け。PEラインの種類と分類
PEラインには、編み込む糸の本数によって「4本縒り」「8本縒り」「12本縒り」といった分類があります。
それぞれの違いを大雑把に言うと、本数が多くなるほどしなやかになり、ジャークやファイト時の糸鳴りが軽減される傾向があります。本数が少なくなるほど感度に優れ、摩擦に強くなる傾向があります。
どちらが良いかは用途次第ですが、一般的に編み込み数が多いほど販売価格は高くなります。
また、編み込み本数が同じでも、工法の違い等によって締め込みの強さが異なり、しっかり締め込んだものほど品質が均一になるようです。
PEラインには単色のものと色分けされたものがあります。
ジギングでは色分けされたものが人気。何色のラインが放出されたかで、水深の把握が容易になるからです。
色分けも数パターン存在します。
もっとも一般的なのは10メートルごと、あるいは20メートルごとに色分けされたもの。色の順番を覚えておくことで、レンジの把握がしやすくなります。
10メートルのなかにさらに1メートルごとのマーキングが入った製品も販売されていますが、ジギングではあまりメリットがないと言えるでしょう。
まとめ 密に編み込まれたもの、色分けがハッキリしたものがベター
よほど特殊な用途でない限り、一般的なジギング用のラインは色分けされたPEライン一択で間違いありません。
選ぶ際には号数や編み込み本数のほかにも、色分けが明確なものを選ぶことも大切。
PEは染色が難しい(本当は出来ない)素材のため、似たような色が続く製品は分かりづらく、水深を正しく把握できない可能性があるからです。
コメント