シーバスジギングの極意を知ろう。基本戦術とジグアクション、やり取りからランディングまでを徹底解説。釣りまくるための第一歩を踏み出そう!
この記事を作った人ヤップ!編集部
ヤップ!でオフショア情報を発信する人たち。編集長の大川直を中心にそれぞれに得意な分野について執筆&撮影して投稿。信頼できる情報を分かりやすく伝える! をモットーに活動中。
シーバスジギングの基本スタイルはバーチカルジギング
大型船、小型のボートを問わず、シーバスジギングの基本スタイルは共通します。バーチカルジギング、つまり垂直方向にジグを落として巻き上げる方法が基本となります。
湾内各所の人工構築物(ストラクチャー)周りや海底の地形変化につく魚群を狙うほか、魚探で捉えたベイトフィッシュなどを追うシーバスの群れをダイレクトに狙う方法もあります。
ヒットが得られればひとつのポイントを攻め続け、ヒットがなければ、またはある程度釣れてシーバスがスレてきた、と船長が判断したら移動していくのがセオリーです。
基本的な流れとしては、まず船長から投入の合図が出たらスタートフィッシングとなります。
シーバスジギングの基本かつ最強パターンはただ巻き&フォール
水深や狙うべきレンジが指示されるので、その指示に従うことが第一。ベーシックなルアーアクションは落として巻き上げるだけ、ととてもシンプルです。
リールのクラッチを切って足下にジグを落とし、着底したら3~10メートルほどただ巻きして落とし直す。この動作を数回繰り返したら巻き上げて再投入。船長から移動の合図が出るまではこの動作を繰り返すのがセオリーです。
シーバスジギングの場合、青物狙いのジギングのように激しくジグを動かすことは逆効果となることが多いので要注意です。
落として巻き上げるだけのシンプルな動作のなかでもさまざまな変化をつけることは可能です。
まず試したいのはリールを巻くスピードの変化。超スローから超ハイスピードまで、いずれにもヒットチャンスはあります。いろいろ試してシーバスからの反応を探ってください。
底から何メートル巻き上げて落とし直すかによってもシーバスからの反応は異なってきます。ジグをチェンジしても動きには変化が生まれます。まずはこれらの工夫を試してみることをおすすめします。
巻き方、落とし方にさまざまなパターンあり
さらなるアクションパターンのバリエーションとして、ワンピッチジャークがあります。リールのハンドルを一回転させるごとにロッドを一回シャクり上げるという動かし方です。
ロッドはあまり大きく振らずにショートジャークをベースにするとよいでしょう。リールのハンドルを1/2回転、1/3回転で細かく探る方法が有効なこともあるので、試してみるとよいでしょう。
3メートル巻いて1メートル落とす、5メートル巻いて1メートル落とすという、断続的に巻き上げては落とすというアクションも有効です。素早くリーリングしてシーバスにアピール、フォールで食わせてしまう、というのが狙いのアクションパターンです。
このアクションパターンはサムバータイプのクラッチを装着したベイトリールでなければやりにくいので注意が必要です。
ほかにも海底付近でラインを出すことなく、ロッドだけでゆっくりと上下させる、ヨーヨー釣りと呼ばれる方法が効果的なこともあります。覚えておくとよいでしょう。
ストラクチャーをタイトに攻める! 横に広く探る! キャストが有効な場面もあり
足下に落とすだけでなく、少しキャストしたほうが有効なケースもあります。ストラクチャー周りを攻める場合、とくに活性が低い場合はギリギリにジグを落とすとヒット率が高くなる傾向があり、有効となります。
水中で人工構築物がどのような状態なのか想像して行うことが大切。形状次第では根掛かりが頻発してしまうので注意が必要です。
浅場の海底変化を広く探っていくときにもキャストは効果的です。着底したら巻き続け、斜めに探っていくシンプルな攻め方も効果的です。
ボトム付近を重点的に広く探るのも効果的。海底変化へ向かって遠投、着底させたら海底からあまり離れないように、巻いては落とし、巻いては落としを繰り返して、上下にジグザグに手前まで探ってくるイメージです。
このパターンなら海底付近に定位するシーバスを効率的に攻めることが可能です。
シーバスがベイトフィッシュを追って上ずっているようなときは軽量ジグをキャストして表層から中層を横引きして攻める、というのも一手。トリヤマが立っている場合は、積極的に狙ってみるとよいでしょう。
ジグのキャストはアンダーハンドで行うのが基本です。
鋭い動作は避け、ややスローに行うことが大切。
使用するロッドに対してジグが重すぎることが多いため、オーバーヘッドキャストは難しく、かつ危険。ロッドの破損にもつながります。
バックラッシュするリスクもあります。ミスキャストでバックラッシュするとラインが細いのでラインブレイクを起こしがちです。慣れないうちはリールのブレーキを強めにセットし、バックラッシュしない自信を得たら次第に緩めていくとトラブルを避けられるでしょう。
フォール中のアタリをいかに出して取るか、を心掛ける
アタリはリーリング中、またはフォール中のどちらかで出ます。
リーリング中であればグンッと引き込まれたり、フワッと抵抗がなくなったり、グググッと軽い抵抗感を感じるなど、さまざまな感触でバイトを察知することができます。
フォール中の場合は、ジグに引き込まれて沈んでいくラインが止まる、ブルブルッとロッドティップが揺れるというような、比較的小さく現れることが多いので注意が必要です。巻き上げしてから落とし直すときもよくアタリが出る瞬間です。
シーバスはフォール中のバイトをいかに出せるか、いかに取れるかが大きく釣果を分けるポイントになります。
投入直後のフォール中のバイトを出せるかどうかはアングラーのテクニックよりもジグの選択やセッティングによるところが大きいことを覚えておくとよいでしょう。
リーリング中とフォール中のどちらにアタリが多いかは常に意識することが大切です。その日、その時によってどちらかにアタリが集中することは珍しくありません。
たとえば、フォール中ばかりにアタリが出るときは、巻き上げは回収と考えて高速リーリング、フォールする時間をなるべく長く取り、バイトに集中するなどすれば効率的に釣りを展開できるでしょう。
ジャンプやエラアライによるフックアウトに注意する
アタリが出たら、リーリング中、フォール中を問わず素早くリールを巻くことが大切です。
とくにフォール中の場合はクラッチを入れて糸フケをしっかり巻き込むことが重要。いずれの場合でもシーバスの重みをロッドに乗せてから大きくロッドをあおってアワセを入れることが大切です。
アワセが決まってしまえばやり取りを楽しめばOK。ロッドを30度から45度くらいの間で立てて、ひたすら定速で巻き続けるのがおすすめのファイト法。無駄なポンピングはバラシを誘発するだけです。
ロッドが硬い場合はなるべく立てる角度を抑えて、軟らかい場合はしっかり立てるとよいでしょう。スローテーパーの軟らかいロッドのほうがバラシの軽減には優位性があります。
大きい動作でゴンゴンとロッドを締め込む場合は大型であることが多いのでより慎重にやり取りを展開します。重さに変化がない場合はスレ掛かりであることが多いです。
スレ掛かりすると重いので、実際のサイズ以上に大きく感じることがあります。「ネット! ネット!」などと大騒ぎすると、後でちょっと恥ずかしい思いをすることもあるので注意しましょう。
相手が引き込むときは無理に巻くことなく、ラインを出して対処します。もちろんライン強度に応じた適正なドラグ設定が前提条件です。
水面近くまで寄せても油断は禁物。シーバスはジャンプやエラアライという抵抗手段を持っています。このときに糸フケが出ているとバラシにつながります。
水面直下で魚体を確認し小型であれば一気に抜き上げるのがおすすめ。サイズが良い場合は無理せずにネットに誘導します。
水面付近でバレたときはジグが自分のほうに飛んでくる危険があります。シーバスジギングではとてもよく見られる現象なので、自身を保護するためにも偏光グラスやキャップなどの装備を整えることはとても大切です。
取り込んでからは不用意に魚体に触るのは避けましょう。各ヒレの棘、エラブタ、フックなどに注意してフィッシュグリップで魚を固定、プライヤーでフックを外す癖をつけてケガやトラブルを回避するようにしましょう。
まとめ
ここまでシーバスジギングにおける釣り方ややり取りのコツなどを紹介しました。まとめてみましょう。
シーバスジギングの基本はバーチカルジギング、つまり垂直方向にジグを落として巻き上げる方法です。
基本かつ最強パターンはただ巻き&フォールですが、そのなかでも工夫次第でさまざまなバリエーションを生み出すことができます。
障害物際に落とすため、浅場の地形変化を広く探るため、ベイトについているシーバスを横方向に攻めるため、キャストが有効なときもあります。
フォール中のアタリを逃さないように注意し、アタリがあったら糸フケを取ってからしっかりアワせることが大切です。
やり取りは一定速度で巻き続けるのがおすすめ。ポンピングはバラシの原因になりがちです。
大型の場合はネットですくってもらうようにお願いしましょう。
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