【ジギング】ジグのしゃくり方、5つの基本パターン

初心者

ジグのしゃくり方(ジャーク)には無数の型があると言っても過言ではありません。なかでもジギング(オフショアジギング)でよく使う、基本のしゃくり方を整理してみましょう。

この記事を書いた人高橋大河(たかはし・たいが)
1980年代より釣り雑誌、釣り具メーカーに関わる各種メディアで活動するフリーライター。専門は淡水・海水のルアーフィッシング。入門向けからマニアックな記事まで幅広く執筆する。雑誌「ソルトワールド」元編集長。「ルアーフィッシングをはじめよう」(山海堂)ほか著書多数。

ジグは動かさなければただの金属片。命を吹き込み、ターゲットにアピールする動作がしゃくり(ジャーク)だ。

ジギングでのしゃくり方、ジャークのパターンとは?

ジギングとは、メタルジグを魅力的に躍らせてターゲットの捕食本能を刺激する釣り方です。ジグを躍らせる方法とは、簡単に言えばロッドをしゃくることです。

そのなかにはロング、ショート、ハイピッチ、スローピッチ、さらにはリーリングとの組み合わせなどで無数のテクニックが存在します。

ここではそうした詳細な分類は横におき、まずはおおまかな基本パターンを勉強してみたいと思います。これから述べる基本形をマスターして、自由自在にジギングを楽しみましょう。

青物狙いに限らず、ほとんどのターゲット、フィールドで基本になるしゃくり方がワンピッチジャーク。

最もスタンダードなしゃくり方はワンピッチジャーク

ジギングのしゃくり方のうち、最も多用されていると言っても過言ではないのがワンピッチジャークです。

はじめの頃はワンピッチ・ワンジャークと呼ばれていたように、ロッドを一回しゃくってリールを一回巻くという動作を繰り返します。

手順としては、

ロッドを水面に向けた状態でリールのハンドルが上にくるように構え、
そこからロッドをしゃくり上げてジグを動かしたら、
再びロッドを元の位置まで下げながらリールのハンドルを一回巻きます。

ロッドを持つ手とリールを巻く手が一緒に上下している感じになればOKです。

上手にやるコツは、ロッドのシャクリ幅とリールの巻取り量を近づけること。慣れないうちはギクシャクしてしまうこともありますが、これを滑らかに、リズミカルに行えるようになれば釣果は目に見えてアップします。

また、ワンピッチジャークを基本にシャクリ幅を変えたり、スピードを変えたりすることで、さまざまな状況に対応することも可能です。

青物から根魚までターゲットを問わないスタンダードなジャークとして、ぜひマスターしておきましょう。

バイトのタイミングはシャクリから次のシャクリに移る一瞬の「間」。適度なポーズとラインスラックを与えて、ジグのダートやフォールの幅を調整することが大切です。

スピードが決め手となる状況ではヒットパターンになることも多いジャカジャカ巻き。

ワンピッチジャークより高速の誘い。ジャカジャカ巻き

ジャカジャカ巻きはその名の通り、ジャカジャカと激しくロッドを動かしてより高速のジグアクションを演出する方法。

スピニングタックルを使った青物攻略では欠かせないパターンです。

ワンピッチジャークと似ていますが、違うのはロッドをしゃくりながら同時にリールのハンドルを回すこと。

こうすることでジグの動きが加速され、高速のジグアクションを連続で演出することが可能になります。

このときの右手と左手の動きはワンピッチジャークとは真逆。

ロッドを持つ手とリールを巻く手が互い違いに動くため、自転車のペダルの動きや太鼓を叩く動作に例えられることもあります。

SLJのイサキ狙いなどではただ巻きも基本パターンのひとつ。魚種を問わずに試してみたいしゃくり?だ。

ジギングではただ巻きも意外に効果的!

しゃくり方と言ってよいかわかりませんが、いわゆる「ただ巻き」も意外に効果的なジグの操作法です。

ただ巻きが有効なのは、港湾のシーバスジギングやタチウオジギング、SLJ(スーパーライトジギング)などを筆頭に、捕食があまり上手ではないとされる魚を狙うとき。

潮が濁っていたり、ナイトゲームだったり、魚がトリッキーな動きを追いきれない条件下でも効果的です。

ブリやサワラがタチウオを選んで捕食している状況、いわゆる「タチウオパターン」では、タチウオの直線的な動きを模すためあえてただ巻きを取り入れるケースがあります。

回収中のジグに魚がアタックしてくることもしばしばあるように、ただ巻きは獲物が必死に逃げているイメージなのかもしれませんね。

ボトムをスローに攻めるのがロックフィッシュ狙いの基本だ。

根魚に効果的なしゃくり方とは?

ジギングの基本はメタルジグをしゃくりながら上へ、上へと誘い上げてくることですが、カサゴやハタなどの根魚にはボトムをスローに、じっくりと誘う方法が有効です。

ただし、ボトムべったりで延々としゃくり続けるのは効果的とは言えません。

一か所で動かし続けると魚がスレてしまうほか、起伏の激しい根周りでは、ある程度ジグを上までしゃくることで周りの魚にもジグの存在を知らせることができるからです。

フォールの動きに反応する個体には、同じ場所で動くジグより、上から落ちてくるジグのほうが魅力的なはずです。

根魚を狙う際はボトム付近をじっくり探ることが前提ですが、そのなかに上下の誘いを入れて、フォールアクションを演出するのがポイント。

これは砂地に生息するマゴチやヒラメに対しても言えることです。

簡単に思える反面、サイズを問わずブリは気難しいときも多い。そんな状況ではコンビネーションジャークを試してみたい。

誘いと食わせのコンビネーションジャークも有効

ここまで書いてきたしゃくり方をもとに、いくつかを組み合わせてターゲットを誘うコンビネーションジャークも効果があります。

丹後ジャークに代表されるこれらのパターンの特徴は、誘いのアクションと食わせのアクションを組み合わせてバイトに導くこと

着底後10~20メートルをただ巻き、またはジャカジャカなどの高速アクションでおびき寄せ、捕食スイッチが入ったところでスローなアクションに切り替えて食わせる、という形が一般的です。

長い距離を追わせることで群れを上ずらせるだけでなく、その群れのなかでも遊泳力のある大型を選んで釣る効果もありそうですね。

こう動かさなければダメ、そんなルールはない。基本を抑えるのは大事だが、思い通りに動かしてみるのもいい。

まとめ ジギングではワンピッチジャークを基本にアレンジも自由自在

ジギングでの基本的なしゃくり方はワンピッチジャークです

そのほかにジャカジャカ巻き、ただ巻き、コンビネーションジャークなど、さまざまなしゃくり方が有効です。

ここに挙げたしゃくり方以外にも、我が国のジギングシーンでは、その土地や対象魚に根ざしたさまざまなしゃくり方が生まれてきました。

自分なりの必釣パターンを完成させる余地はまだまだあります。基本形をマスターしたら、ぜひ自己流のアレンジに挑戦して、楽しんでください。

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