高い人気を誇る、三重沖のトンジギ。チャンスを確実にモノにするために押さえておきたい攻略術を鳥羽の漁盛丸、小寺賢吾船長に訊いた!
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三重沖のトンジギ。数のピークは例年2月、3月!
ヤップ 人気の三重沖のトンジギ、今シーズンのスタートはいつくらいですか?
小寺船長 11月後半からスタートして12月はポツポツ出船って感じです。
ヤップ 釣果はどうですか?
小寺船長 出だしは船中1本とかです。まあ、例年と似た感じですよ。あとは新しい群れがいつ入ってくるか、ですね。もう何回かカタクチイワシを食べている群れも入ってきたりしています。ベイトがこのあたりの留まってくれれば期待大ですけどね。
ヤップ イワシを食っていると釣りやすい?
小寺船長 そうですね、プランクトンみたいな、小さなエビとか食っているよりは活性が高くなって釣りやすいですよね。
ヤップ イワシがいればチャンス! って感じですね。冬場の出船はトンジギばかりですか?
小寺船長 青物もやりますよ。トンジギは年内は人数がまとまりにくいので乗合が出しにくいのでチャーター中心にしてもらってます。例年、年明けからは乗合をスタートします。近海の青物とトンジギでは先に予約が入ったほうを優先して、どちらかで出ることが多いですね。2月くらいになるとトンジギのほうが多くなりますね。
ヤップ 三重沖のトンジギシーズンの目安はどのくらいですか?
小寺船長 年内はタネトンは出るけど数は少ない。本格的になるのは年が明けてからです。数のピークは2月、3月。年にもよりますが終了は3月半ば、やっても4月半ばくらいまですね。2月、3月はカツオばっかりになったりするときもあります。
ヤップ ピーク時の数が釣れるときの平均サイズはどのくらいですか?
小寺船長 10キロ前後のときが多いですね。
トンジギ用ラインはPEが4号以上、リーダーは20号以上、ジグのウエイトは240~500グラムが目安。
ヤップ 道具はどんなものを持っていけばいいですか? と聞かれたらどんなものを伝えています?
小寺船長 ラインで言えばPEは4号以上、リーダーは20号以上にしてくれって伝えています。太くて食わないってことはほとんどないですから、タックルはラインにしてもフックにしてもなるべくしっかりしたもの使ってほしいです。アタリは多くないので掛けた魚はなんとしても獲ってほしいです。後半になって小型中心になったらPE3号、リーダー14号というセッティングでもいいですけどね。
ヤップ キハダの可能性もありますよね。
小寺船長 そうですね、いつでもチャンスはあるんですが、3月くらいになると新しく入ってきたりもしますよ。まあ、魚次第なんでいつ来るかは分かりませんけど。
ヤップ ジグは何グラムくらいを使うんですか?
小寺船長 重さは天気次第です。凪なら200グラムくらいでもいいですし、反対に風が強ければ500グラムが欲しくなります。タナ(レンジ)に落とすのにどのくらいの重さが必要なのか、ってことになりますよね。軽いと1回しか探れなくても、重いものなら何回か落とし直してタナを探れます。
ヤップ 300、400グラムが中心って感じですか?
小寺船長 ジグの重さは240グラムから500グラムって感じですね。電動の人だったら600グラムとかもいいと思います。500、600グラムは1本ずつは持っていたほうがいいと思いますよ。タナに届いた人は必ず釣れるけど、届かない人は釣れない、って状況がありますから。
ヤップ それはもったいないですよね。
小寺船長 重いジグを持ってないから2個連結して釣ったってこともあります。まあ、重いジグはシャクるのが大変ですけどね。
ヤップ 釣れないよりはいいですよね。ジグはどんなものが人気ですか?
小寺船長 ウロコジグは人気がありますね。水切りがいいので沈みやすくて、しゃくりやすい。釣果もいいですよ。あまり平べったいジグだとタナまでなかなか落ちないので、効率が悪いですよ。凪の日なんかはいいこともあるかも知れませんけどね。
トンジギ用にはベイトタックルがおすすめ。電動ジギングもあり。
ヤップ トンジギ用のロッド、リールについてはどうですか?
小寺船長 最初は青物用の持っているものを使ってもいいし、スピニングでもいいですけど、やり込んでいくとベイトタックルに落ち着きますね。とくにスピニングは慣れない人だと上手く巻けない人が多いですね。
ヤップ 電動はどうですか?
小寺船長 すごく増えてますよ。電動の人はサボらないので、結果的に電動のほうが釣れたってことも珍しくない。しゃくり方も近海の青物ほどは難しくはないですからね。ただ、注意点もありますよ。
ヤップ それは何ですか?
小寺船長 電動でやっているとけっこう魚がスーッと上がってくることも多くて、元気なまま船縁まで来るんですよ。そうすると船の近くになってから暴れ出すことも多い。それでもたもたしていると、暴れられてバッテリーを持って移動したり、間に合わなくてラインが切られたりすることもあります。
何よりも休まない!指示ダナを守ることも重要
ヤップ 釣り方含め、何か釣り人にアドバイスありますか?
小寺船長 何よりも1日中頑張ることが大切。修行の釣りなんでね。あとはテクニックより先に体調を整えることが大事ですね。トンジギの時期はだいたい北風のなかでドテラ流しになります。波に向いて釣りをします。防寒対策と船酔い対策は重要ですね。
ヤップ 大事ですね、それ。寝てたら釣れませんものね。
小寺船長 あとは指示された水深と出ている自分のラインとの関係をよく考えてほしいですね。
ヤップ 船長が指示するのはあくまでも水深ですよね。
小寺船長 そうです。たとえば100メートルの指示で、最初に落としたときに130メートルくらいラインが出たとします。これで90メートルまで探って次に落とし直すときは180メートルくらい出さないと指示ダナには届かない。こういうことがあるってことです。ここらへんを計算して、しっかり指示ダナに合わせてほしいですね。
ヤップ そこは大事ですね。
小寺船長 いま100メートルに魚影が映ったよ、とアナウンスしても群れは船の真下にいるわけです。そのときはみんなのジグは船から離れていることが多い。船が流れていってから後で調節していって、100メートルの指示ダナに合わせることが大切ですよね。
ヤップ ドテラ流しならでは難しさ、楽しさですよね。
長すぎるファイトはNG。リーダー、フックも要チェック!
ヤップ バラシの原因は何が多いんですか?
小寺船長 よく見かけるのはやり取りの時間が長くすぎるのはダメですね。あまり行ったり来たりを繰り返すと、魚の口が伸びたり、掛かっている穴が大きくなって外れたり、口が切れたり。ラインも船に擦れたりして傷みますよ。
ヤップ ファイト時間が長すぎるとバラす確率が高くなってしまうんですね。
小寺船長 フロントとリアにフックをつける人が多いですけど、フロントに食ってくる確率が高いんです。長くやり取りしているとリアのフックがどこかに掛かって天秤みたいになってしまう。そうすると重くなって引っ張りっこになって大変になります。魚も暴れますし。1回でも船に寄ったら疲れたって休まずに最後だけは頑張ってほしいですね。
ヤップ ノットとかどうですか?
小寺船長 やっぱり抜けたり、切れたりって人もけっこういます。もったいないですからね、しっかり練習してほしいですね。あとはリーダーとかフックとか、しっかりしたものを使ってほしいですね。変なものを使っていると伸びたり、掛かりが悪かったり、切れたりってことになるんで。
ヤップ 準備できることは完璧にしておきたいですよね。いろいろとアドバイス、ありがとうございました!
■三重県・鳥羽赤碕岸壁
「漁盛丸」(https://ksryousei.com/)
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