タチウオジギングで有効なジグは多々ありますが、プレッシャーの高い昨今はその選択もシビアです。激戦区でも確実に釣るためのジグセレクトを探ってみましょう。
この記事を書いた人高橋大河(たかはし・たいが)
1980年代より釣り雑誌、釣り具メーカーに関わる各種メディアで活動するフリーライター。専門は淡水・海水のルアーフィッシング。入門向けからマニアックな記事まで幅広く執筆する。雑誌「ソルトワールド」元編集長。「ルアーフィッシングをはじめよう」(山海堂)ほか著書多数。
タチウオジギングのしゃくり方はタダ巻きやワンピッチが基本。アクションは抑え気味がベター
タチウオジギングではワンピッチジャークを多用します。
ジグをあまり派手に動かさないことがポイントになります。
タチウオはトリッキーに動くジグを捉えるのが苦手なようで、釣れないばかりかミスバイトによるラインブレイクにもつながります。そのためノーアクションのタダ巻きも効果的です。
ジグの形状は、センターバランスまたはリアバランスで動きを抑えた使い方をしやすいタイプがおすすめ。
手の込んだ複雑な形状のものよりも、シンプルでオーソドックスなもののほうが使いやすい傾向にあります。
タチウオジギング用ジグのサイズはベイトサイズとプレッシャーで選ぶ
使用するジグのウエイトは40グラムから200グラムが中心と幅広いですが、そのなかでも一般的なのは100グラムから150グラムです。
これを基準に、浅場狙いやタチウオの泳層が浅いときは40グラムから60グラム、ポイントが深いときや潮の流れがきついときは200グラム前後を登場させるとよいでしょう。
シルエットはそのときのベイトサイズに合わせるのが基本。小型ならショートタイプ、やや大型ならセミロング、もっと大きなベイトならロングジグといった具合です。
ただ、プレッシャーの高い昨今の釣り場では、たとえベイトサイズに合っていても、大きなシルエットのジグには食ってこない傾向があります。そんなときはより小型のジグを使うことで食い渋りにアジャストする必要があります。
タチウオジギング用ジグの素材は鉛がメイン。近年はタングステン製も人気
素材は鉛製が最も一般的。ショップにはさまざまな製品が並び、サイズやカラーのバリエーションも多いため、メタルジグの代表的な素材となっています。
鉛製のジグだけでも、タチウオ用というキャッチコピーがつけられた製品は数多く、選択に悩むほどです。
さらに、近年ではタングステン製のジグの注目度が急上昇。「タングステンでなければ釣れない」とも言われるほど需要が高まっています。
その理由は重さの割にシルエットが小さくできること。鉛の比重1.4に対して、タングステンの比重は19.3と約1.7倍。つまり同じ重さなら、鉛よりコンパクトにできるのです。
前述した通り年々プレッシャーが高まっており、スレたタチウオは、大きなジグには見向きもしないことがあります。
こうした状況ではタングステン製の小型ジグにヒットが集中してしまうのです。毎日のように船団ができる激戦区では、タングステン製のジグ抜きには戦略が立てられないと言うアングラーもいるほどです。
もちろん、鉛でもシルエットが小さいものなら食わせられるかもしれませんが、そのぶん重量は軽く、ヒットレンジに到達するまでに時間がかかりすぎるなどの不都合が生じてしまいます。
比重だけでなく価格も鉛より高いタングステンジグですが、ぜひとも持っておきたいアイテムです。
タチウオジギング用ジグのカラーは明色系が無難。グローカラーも効果的
ヒットカラーは現場の水色や、釣りをする時間帯によっても刻一刻と変わりますが、総体的に実績が高いのはピンク、アカキン、シルバー、パープルなどの明色系です。
曇天時やディープのポイント、夜釣りなどではゼブラのようにグローを配したカラーも効果的ですし、ガンメタも実績があります。
タチウオジギングではジグカラーも釣果を大きく左右しますが、これらのカラーをサイズ別に揃えるとかなりの数になってしまいます。
そんなときは釣行前に船宿さんに確認して、そのエリアの傾向を知ってから揃えると無駄がありません。
まとめ タチウオジギング用のジグは動きとともにサイズ感とカラーも重視
タチウオジギングのジグセレクトは、アクションとともにサイズ感とカラーが重要。
水深や水色、ベイトサイズに合わせるだけでなく、やや小さめのシルエットのジグやよく目立つカラーを準備して行くことも大切です。
地域によってヒットパターンが変わることもよくあるので、事前にそのエリアの傾向をしっかり把握しておきましょう。
タチウオジギングは他のジギングに比べてジグのロストが格段に多い釣りです。船上で持ち駒が不足しないよう、予備のジグを十分にストックしてトライしてください。
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