新潟県糸魚川市の市振沖ではこれからの時期、ブリジギングの最盛期を迎える。いわゆる寒ブリだ。釣って楽しく食べては旨い! そんなブリジギングのコツを常田保幸船長に訊いた。
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狙いは寒ブリ! 1月いっぱいまでがシーズンの目安
ヤップ こんにちは! 冬の日本海、市振沖でのおすすめターゲットといえば、やっぱりブリですか?
常田船長 そうですね、ブリですね。寒ブリです。
ヤップ ブリのポイントは港からどれくらいですか?
常田船長 けっこう近くて15分から20分くらいですよ。
ヤップ 近いですね。寒い時期はありがたいですね。水深はどのくらいを狙うんですか?
常田船長 100メートルくらいを狙うことが多いですね。浅くて70メートル、深いと140メートルくらい。カケアガリを狙います。ベイトを見つける感じで釣りますが、ブリ自体が魚探に出ることもありますよ。
ヤップ 釣れるサイズはどのくらいが多いんですか?
常田船長 小さいのもいるんですが、狙っているのは5~6キロのワラサクラスから10キロを超えるブリですね。富山湾では7キロからを寒ブリって呼んでますが、ちょっとそれじゃ小さいんで、うちでは8キロからをブリって呼んでいます。本当は10キロからって言いたいんですけど、そのサイズはなかなか難しいんでね(笑)。
ヤップ 10kオーバーのブリ、憧れです。小さいのもまじるんですか?
常田船長 イナダ、こちらで言うフクラギもいますね。ブリとは違うポイントで土産用に釣ることもありますが、同じポイントで釣れることもありますよ。
ヤップ やはりブリクラスは1本釣れれば万歳!って感じですよね?
常田船長 でも、いいときは4本、5本って釣っちゃう人もいますよ。もちろんダメなときもありますけどね(笑)。
ヤップ 寒ブリシーズンはいつくらいまでが目安ですか?
常田船長 だいたい年が明けて1月いっぱいくらいまで安ですね。2月も釣れるんですけど痩せて脂が落ちて細くなっちゃうんですよ。
ヤップ 出船率はどんどん下がっちゃうんですか?
常田船長 例年12月まではけっこう大丈夫なんですけど、1月になるとどうしても荒れる日が多くなります。でも、新潟県のなかではここら辺は出船率が高いほうだと思いますよ。能登半島があるので、西風は風裏になったりするんで。
ヤップ ブリ以外の出船は?
常田船長 おすすめはタイラバで釣るメダイです。あとはスロージギングで狙うマダラですね。
タックルは強めで主導権を渡さない! 推奨はPE4号、リーダー60ポンド
ヤップ ブリジギングの基本的なタックルについて教えてください。
常田船長 狙う水深が深いし、二枚潮がキツいときもあるので、ジグは200グラム以上を使うことも多いんです。だから、ロッドはそれくらいのジグをしっかりシャクれるヤツがいいですね。スピニングタックルを使う人が多くてリールは6000番から8000番ですね。
ヤップ メインライン、リーダーは?
常田船長 PEは3~4号、リーダーは50~60ポンドですね。推奨は4号、60ポンドです。あまりライトだとファイトに時間がかかってしまうしトラブルの元です。魚に主導権を与えないという意味でも4号がおすすめですね。
ヤップ ジグはどのくらいの重さを用意すればいいですか?
常田船長 ウェイトは150から250グラムは用意してほしいですね。電動ジギングの人は300グラムを使ったりもします。
ヤップ ジグのタイプのおすすめは?
常田船長 セミロング主体でいいと思いますよ。人気なのはアグアのダズル。富山湾の名人が作ったとかで人気がありますよ。うちに来るお客さんは結構持っている人が多いですね。あとはネイチャーボーイズの鉄ジグも人気ですね。
ヤップ おすすめカラーってありますか?
常田船長 定番はゴールド系です。グリーンゴールド、ピンクゴールド。あとはシルバー系ですね。
ヤップ フックはフロントだけでいいですか?
常田船長 フロントに1本か2本の人が多いですね。サワラがまじるときはリアにつけたほうがいいですけどね。スローっぽくやる人もリアにつける人もいますね。
ヤップ スロージギングで釣る人も多いですか?
常田船長 いますよ。でも、スロージギングといっても、結局、ベイトタックルを使うってことだけかなと思ってます。とくにブリに関してシャクリ方もスピニングとそんなに変わらないかな、とオレは思ってます。
ヤップ 本来のスロージギングではない、という感じですか?
常田船長 そうですね、ベイトを使うかスピニングを使うって違いだけで、シャクリ方は一緒でいいと思いますよ。
ヤップ 電動ジギングもいいですか?
常田船長 一部ですけどいます。やっぱり楽ですからね。それに電動ジギングの連続的な動きのほうが釣れるときもあるんです。
深場のジギングではサミングが重要
ヤップ ブリジギングでぜひこれは気を付けてほしい、というアドバイスはありますか?
常田船長 フォールについてですかね。とくに二枚潮がキツイときですね。こういうときにフリーフォールで落としちゃうと、一番前で釣っていても後ろの方までラインが行っちゃう、みたいになってしまいます。そういうときはラインにテンションを掛けて、つまりサミング(フェザーリング)して調整するんですけど、これがなかなか難しいみたいで。
ヤップ なるほど。
常田船長 テンションのかけ方ですよね。軽くサミングするのか、ときどきラインが出るのを止めて、ラインをまっすぐに立てて様子を見てから落とすとか。
ヤップ それはもう慣れですよね。でも意識するかどうかも大きいですね。
常田船長 市振沖はほかと比べると少し深いと思います。だいたいメインに狙う水深は90メートルから110メートルです。それにブリはそんなに上ずる魚じゃないですからね。底から10メートル、20メートルが勝負。どうしても底取りは大切になりますよね。
ヤップ シャクり方のアドバイスってありますか?
常田船長 ブリ狙いでは着底したら10メートルくらいを目安にまずは速巻き。そこから少しゆっくり目のワンピッチというのが基本です。
ヤップ イナダとかフクラギも同じですか?
常田船長 小さい魚は速めの小刻みなワンピッチがいいですね。ただ巻きからのストップとかがおすすめです。速め、速めですね。
ヤップ ブリは釣りたいですけど、お土産釣りもときには大事ですからね(笑)。
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