玄界灘ヒラマサジギング&キャスティング:遠征用タックルセレクト指南【教えて!バスメイトさん】

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関東の外房エリアと並びヒラマサアングラー憧れの地として名高い九州玄界灘。切り立った浅根と大型のベイトパターンの克服が攻略のカギと言えるだろう。そんな西のオオマサに挑むジギング&キャスティングタックルを徳永兼三さんが指南。

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ヤップ君

釣り経験はあるものの、ビギナーレベルから抜け出せずにいる30代男性。オフショアゲームでエキスパートを目指すべく奮闘中。東京都在住。

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徳永さん

徳永兼三(とくなが・けんぞう)東京都大田区でプロショップ『BASS MATE』を経営するエキスパートアングラー。バスフィッシングからマグロ、GTといったビッグゲームまで幅広くこなし、国内外のフィールドに精通。これまでに数々のレコードフィッシュを釣り上げている。

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池貝さん

池貝雅俊(いけがい・まさとし)バスフィッシング、シーバス、近海のオフショアなど関東周辺のルアーゲーム全般に造詣の深いバスメイトの店長。タックルに関する知識も豊富で、店内で扱う商品在庫のすべてを把握していると言っても過言ではない。

ヒラマサはトラックレーサー。切り立った浅根でガチンコ勝負!

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ヤップ君

外房でヒラマサ修業をしたら九州にも遠征しようと思うんですが、九州の釣り場の特徴ってどんな感じですか?

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徳永さん

外房との一番の違いは根が荒いことです。私が通う玄界灘は非常に険しく、切り立った崖のような根が多いのですが、そこで掛けたヒラマサをガチンコ勝負で止めなければ魚を手にできません。

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ヤップ君

ということは、タックルもそのぶん強くしないといけませんね。ロッドを選ぶ際にはどんなことを頭に入れておけば良いですか?

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徳永さん

まずは使うラインを目安にしてください。ラインの太さがロッドの選択につながりますから。玄界灘のヒラマサはPE6~8号が標準です。同じ場所でカツオやワラサが釣れ盛るときは4号、5号も使いますが、浅根で20キロオーバーのオオマサが釣れるようなポイントでは8号から10号を推奨というのが現在の基準です。リーダーは40号~50号です。それに対応可能なパワーのロッドを選んでください。

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ヤップ君

そのなかでどれかひとつを選ぶとしたら・・・

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徳永さん

う~ん、難しいですねえ。当日のプランに浅根のオオマサ狙いがなければ10号タックルは必要ありませんし、ワラサが多いときは4号でも十分です。そもそもヤップ君がオオマサにこだわらないなら、それに適したタックルを準備するのも正解です。
ただ、キャスティングのオオマサ狙いをメインにしている船なら、最初から10号タックルを指定されることもあります。1本でどれもカバーするというより、自分の目的に合うスタイルの船を選び、そのキャプテンの勧めに従うのが最善の方法です。あまりにも見当違いのタックルでは釣りになりませんからね。

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ヤップ君

やっぱり事前の確認が大切なんですね。徳永さんがよく使うのはどんなロッドですか?

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徳永さん

私は長めのロッドを使うことが多くて、普段お世話になっているサンライズさんでは8フィート6インチや8フィート8インチのものを多用しています。船の大きさによっても使いやすい長さは違うので、8フィートから8フィート8インチを基準にして船のサイズやキャスティングスペースに合わせることができればベターです。

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ヤップ君

せっかくならオオマサを狙いたいので、ボクは8フィートクラスで10号タックルを検討します。それにしても、まさにガチンコ勝負って感じですね。

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徳永さん

PE10号でドラグを15kgかけて、20kgを超えるヒラマサを止めるという世界ですからね。逆にそこで止められなければ、根に走られてラインブレイクです。

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ヤップ君

サイズは20kgくらいでも、釣りのハードさではある意味マグロやGTより上かも?

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徳永さん

その通りです。イメージ的にはGTが短距離ランナー、マグロがマラソンランナー、ヒラマサはトラックレーサーという感じです。最初から根に向かって突っ走るし、船縁にきてもギリギリまで抵抗して、掛けてからの時間のなかにいろいろな闘いがあります。

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ヤップ君

あとはリールか。PEが8号以上となると、リールもそれなりのキャパシティが欲しいところですね。

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徳永さん

いえ、むしろその逆です。いまも言ったように走らせたらおしまいのガチンコ勝負なので、PE8号が200メートル入れば十分。14000番でOKです。投げる回数もマグロやGTに比べて多いので、大きいリールでは体がもちません。

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ヤップ君

そうか。ラインは出せないのだからキャパシティがあっても意味ないんですね。ルアーはどのくらいのサイズが中心になるんですか?

ルアーは200ミリ前後を多用。ポッパーも効果的

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徳永さん

春は小さめでないと食わないときもありますが、基本的に玄界灘では160ミリサイズまで落とすことはあまりなくて、180ミリから240ミリサイズが最も重要になってきます。とくに秋は200ミリを超えるサイズが中心になりますね。

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ヤップ君

オススメのプラグはありますか?

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徳永さん

カーペンター、シービーワン、ローカルスタンダード、フィッシュトリッパーズビレッジなど、ハンドメイドプラグのメーカーさんはどこも力を入れて作っていて、実績も高いものが多いですね。シマノやマリアもいいルアーをたくさん出しています。ただ、メーカーもさることながら、大切なのはその時のベイトサイズに合わせること。まずはサイズありきでルアーをチョイスしていきます。

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ヤップ君

ポッパーとペンシルの使い分けはどうしたらいいですか?

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徳永さん

ポッパーが効くのはラフウォーターでダイビングペンシルがうまく動かせない条件のとき。ただラフウォーターでなくても、ダイビングペンシルには反応が悪いのに、なぜかポッパーには反応するようなこともあります。

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ヤップ君

ポッパーはどんなタイプを選ぶといいですか?

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徳永さん

GTを釣るときのような大口径のものではなく、どちらかと言えば小口径のカップで泡を噛ませて泳がせ、泡に紛れて食わせるタイプですね。海面が荒れてダイビングペンシルではうまく水に絡まないときに、小さなカップで水を捉えてアクションさせる、そういう使い方ですね。

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ヤップ君

なるほど。ポッパー特有の派手なスプラッシュや、強烈なポップ音で誘うわけではないんですね。

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徳永さん

そうです。ポッパーと言ってもヒラマサの場合は、ダイビングペンシルの延長線上にあるようなイメージですね。

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ヤップ君

フックはシングルですか?

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徳永さん

私はバーブレスのトリプルフックを使っています。できるだけ魚にダメージを与えないようにという理由でバーブレスを使っていますが、ヒラマサは直線引きのファイトをするので、バーブレスでもテンションさえ抜かなければ簡単にはバレません。もちろん、シングルだからダメージが少なくて、トリプルだからダメージが大きいということもありません。

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ヤップ君

レギュレーションとかはとくにないんですか?

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徳永さん

船によってはシングルフックの使用を推奨しているケースはあるので、これも事前にキャプテンに確かめておくといいでしょう。

後編に続く

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